有限会社ジオプランニングは地質を専門とする地質コンサルタント会社です。 
 
 
   業務上使用しているツールの紹介をしてみます。専門的な道具だけでなく、市販品の流用や自作ツールなども掲載しています。一般的な使い方をしていないものもありますが、気軽に見ていただければと思います。
      ※下記の作業の種類(区分)については概略であり、厳密なものではありません。
 
○地表踏査 ○岩盤スケッチ・コア観察 ○点検業務 ○筆記用具 ○安全対策 ○その他 
 
○地表踏査 
ロックハンマー Estwing製のものが一般的・岩石を割って観察をする。サンプルを採取する。層理面を出す→走向傾斜を計測する(クリノメータ)。地質の硬さを確認する(打音により判断)。写真撮影時のスケールとして使用。稀に簡易イスとして利用。
 最近は、円安等の影響もありEstwing製は手に入りにくくなっており、DOGYU製(右写真)を使用している。
ハンマーケース 名前の通りハンマーを収納。上記ロックハンマー付属品を使う場合が多い。藪漕ぎなどでハンマーが落下する可能性があるので、リングにビニールテープを巻いて抜けにくいように調整している。
クリノメータおよびケース 地層、断層、割れ目などの走向傾斜をはかる。右の写真はクリノコンパス。
走向板 地層の走行傾斜を測るときに補助的に用いる。最近は持っている人が少ない。
 好きな厚さ、形状が選べることから自作がベスト。工作の難易度は高くない。
ルーペ 岩石の組織などを現地で観察するのに使用。8~10倍のものが一般的。安いものも流通しているが、レンズメーカーのしっかりとしたものを選びたい。
折尺 地層の厚さなどを測る。写真撮影時のスケールとして便利。
デジタルカメラ 現地の状況写真を撮影。マクロ機能を使えば、詳細な地質の組織・性状を撮影することができる(もちろん限度はあるが)。踏査では防塵・防水のものが必須。また、AFのレスポンスの良いものが使いやすい。→蚊が多い季節など特にそう思う。近年は、カメラ機能が高性能なスマートフォンがデジカメに置き換わってきている。
道具袋 使用頻度の高い道具を入れる。
ベスト 道具袋の代わり。釣り用やネイチャーガイド用のポケットが多くついているものがGOOD。カメラ、折尺、ルーペなど一式を入れておくとたいていの現場作業に対応できる。
サンプル袋 サンプルを入れるために使用。・ZipLockが便利。袋が丈夫&チャック付き
伸縮ポール 地層、地形の状態を測定・写真撮影時のスケールとして使用。・歩くときの杖代わり。踏査で使用する場合は色が剥げやすい(特に赤)。
ザック 資料やサンプル、弁当や飲み物を入れる。
ヘルメット 踏査では、崖下での落石に対して、また、転倒時の頭部保護として使用。以前は地表踏査作業では着用が任意であったが、現在は現場作業では必須の保護具となっている。
折り畳みヘルメット  出張の際に公共交通機関を利用する場合に非常に便利。平たくなるので、梱包に有利である。かぶり心地はやや浅い。   
長靴 踏査やその他現場の時の必須TOOL。
調書:手軽。履きやすい、脱ぎやすい。安い。水たまりに強い。ある程度の川も渡れる。冬は防寒用がある。蛇などにも噛まれにくい(あくまで足限定)。
短所:中に水が入った場合、一気にやる気がなくなる。笹藪などで、裂けることがある。底が減りやすい→グリップしなくなる。足首を固定しないので長距離には向かない。底が薄いので、アスファルトやコンクリートの地面では、衝撃を吸収してくれない(→最近は高性能の中敷きがあるのでそれを利用するのもあり)。
GPS携帯ナビ ガーミンなどに代表されるハンドヘルド。衛星の受信精度が高く踏査ルートの確認などに便利。事前に詳細な図面を読み込ませておくこともできる。
 GPS精度も高くなってきているスマートフォンで代用できる場面も多くなっている。
バロメータ 気圧により相対高度を知ることができる。以前は専用品を使っていたが、最近では、PROTREK(CASIO)などの腕時計タイプを使用(ほかにSUNNTOなどがある)。精度は±5m程度(地表踏査では十分)。低気圧が近づいているような気圧の変化が大きいときにはあまり役に立たない。写真はCASIO PROTREK
双眼鏡 普通では行けない場所を観察する。崖の地質や割れ目などの観察。
 
 
 
 
○岩盤スケッチ・コア観察 
コンベックス 礫径や破砕幅など様々なものを計測するのに役立つ。
折尺 地層の厚さなどを測る。写真撮影時のスケールとして便利。
アルミスタッフ 岩盤スケッチ、法面スケッチの際のスケールとして利用。巻き尺のように変形しないのでズレにくい。平滑な面での使用に限られる。
ねじり鎌 掘削面の整形や清掃に用いる。比較的やわらかい地層の構造を観察する時に使用(表面を平らに削る)。シュミットロックハンマー試験をするときの試験面の作成にも用いる。
自作分度器 コア観察に特化した自作の分度器。写真撮影
スクレーパー コア観察時にコアの表面の泥を除去。または、無水掘りコアを観察する場合にコアを半割にする際に役立つ。  
カッター コアパック(ビニール)を外す際に必要。砂利や岩石を対象とするので、目詰まりや破損が顕著なので、極力安いもので良い。早々に切れなくなるので替え刃は必須。  
マイナスドライバー 岩盤のコアは、コア箱に隙間なく収められている場合があるので、コアは取り出す必要がある場合に苦労するが、マイナスドライバーがあればかなり楽に取り出せる。  
ペンチ、ラジオペンチ マイナスドライバーと同様コアを取り出すときなどに便利。  
スクレーパー  コア清掃・コア観察で必要となる。いろいろ種類が豊富なので用途に合った形状・サイズを探す必要がある。   
噴霧器  コア観察の際にコアを濡らす目的で使用する。手動式と電動式のものがある。結局電動式の方が楽。写真は手動式。   
投光器 横坑スケッチやトンネルスケッチで活躍。ただし、電源が確保されている現場のみ。最近は大容量バッテリーも市販されており、それを利用する手もある。
ヘッドランプ 横坑スケッチやトンネルスケッチで活躍。ヘルメットに装着して使用。現在は、LEDが主流。コンパクトで、あまり邪魔にならない。
ライト 懐中電灯や高輝度LEDライトなど。ヘッドランプでは照らせないところを照らす。写真撮影時にも利用。
 
 
 
 
○点検業務 
レーザー距離計  道路点検範囲の計測や、法面や崖の高さの概略を計測するのに用いる。軽量でコンパクトの為かなり重宝する。踏査時にも、露頭の高さや範囲などの把握に役に立つ。
 右は、ゴルフ用品として売られているもの。
巻尺  30~50mものが一般的。スタッフ同様岩盤スケッチで有用。道路防災点検などでも利用。
ウォーキングメジャー 通称”コロコロ”?。点検範囲や災害地の範囲計測などに利用。カーブした道路などでは、レーザー距離計優れる。   
伸縮ポール(2m)  写真を撮影する際の一般的なスケールとして利用する。そのほか陥没穴の深さの計測。2本を十字~L字に構えて斜面の勾配などを表現する。踏査では、杖替わりとして利用する。
伸縮ポール(2m)多段  最小62cmになる。大きめのザックなどに収納可能で、電車の出張などで持ちあることができる。ただし、伸びた状態での固定ができないので、杖替わりにはならない。
アルミスタッフ  5mや3mのものが主流。重いので常時持ち歩くにはきついが、土石流の基礎調査などでは必要となる。
コンベックス  亀裂の計測、構造物の寸法計測などに使用。汎用性があり、常にザックなどに忍ばせておくと便利である。
曲尺  コンベックス同様、亀裂の計測(亀裂そのもの、釘間の計測など)で利用。コンベックスに比べ、変形しないので、より正確に計測できる場合がある。
クラックゲージ  コンクリート構造物の亀裂の幅の計測に便利である。その形状から最大幅15~20mm程度まで。
コンクリート釘  点検の計測箇所を設置する際に必要となる。また、既設点検箇所の破損などにも使用するため、防災点検時には常備していることが望ましい。
コンクリートボンド  同上、釘の固定(補強)に使用する。
マーキングスプレー  点検箇所のマーキングなどに使用。カラースプレーの性能は値段次第。短期であれば安いのでもOKだが、長期に利用する場合はケチらない方がい良い。
電動ドリル  釘等の計測箇所の設置に用いる。コンクリート用のドリル刃を用いて穴をあけ、釘などを設置する。かさばるのであまり出番はない。
測量テープ  通称?ピンクテープ。測量や林業などの様々な場面で利用されるテープ。点検箇所の目印などに用いる。生分解のものもあるが、劣化が早く年単位での利用の場合には向かない。
折りたたみ脚立  擁壁などを越える場合などにたまに使用することがある。
 
 
 
○筆記用具
画板  地形図等を挟み持ち歩く。→ルートマップ作成・A4~A3サイズのものを適宜選択。場合によっては、二つ折りのものを使用。
シャープペンシル  シャーペン[芯はBよりやわらかい方が良い]太さは、個人差があり0.3㎜~0.5㎜。踏査の場合、消えないように宿に戻ってから”墨入れ作業”が必要となる。
ボールペン  現状ではジェットストリーム1択、と思ってます。4色ボールペンを好んで使っている。
色鉛筆  ルートマップ作成、整理に便利であるが、昨今は出番が少なくなってきている。
油性マジック  マッキーがスタンダード。サンプル袋などに記入する際に利用。
フィールドノート  防水のものが便利
 種類は少ないが、右のProjectPaperは0.5cm方眼で、サイズもB6判と大きく使いやすい。リングが金属でなく軟質なものだとより良いのだが。
プロトラクター  図面のスケール、角度を測れる。定規代わりに使える。図面に走向傾斜を記入する場合に便利である。
三角スケール  図面のスケールを測れる。
クリップ  画板に図面を固定するときに使用。
黒板  工事記録写真を撮影するときに使用。写真の枚数が多くなるときなどに使用・大、小あり
 
 
 
 
○安全対策
手袋  防寒、藪こぎ用に便利。軍手が一般的だが、ホームセンターなどに売っている作業用手袋(皮など)は割高ではあるが、フィット感が良く手袋をしたままの作業がしやすい。
反射ベスト  通称?トラチョッキ(現在ほぼ死語)。個人的には蛍光イエローのものが良いと思っている(日中の視認性が良いので)。
輪止め  現場により必要(安全対策)。工事関係現場では、100%必要
回転灯  現場によっては必要なときも。黄色が一般的。・公道では、点灯不可。
三角コーン  車両を路肩などに駐車する際に利用。遠方への出張の際には折りたためるものが便利(写真)。   
 
 
 
 
○その他
 
漬物用ビニール袋 雨や雪の日に、画板ごと図面を入れて持ち歩き、記入するときも袋の中で作業ができるので図面をぬらさなくて済む。できるだけ使いたくないTOOLではあるが、あると便利。
合羽・防寒着 冬場などは、防寒合羽(移動のない場合)。普通の合羽(透湿性のないもの)の場合、かなり蒸れる(雨で濡れたのか、汗で濡れたのかわからなくなる場合がある)。防寒用は透湿性のあるものが良い。登山用のものが一般的であるが、使わなくなったスキー用のものは、結構使える。
タオル 汗を拭く。首周りの保護(日光や藪こぎなどのときの)。防寒(マフラー代わり)
弁当入れ 昼飯を持って歩くときに便利。コンビニおにぎりなどを袋に入れたままそのまま踏査などをすると、昼ごろには潰れてしまいおいしくなく見える。”弁当入れ”を用意しておくとそんなことがなくなる。
コンパクト座布団 アウトドアグッズの折りたためる座布団。昼飯や休憩時に利用。石など多いところでも快適に座れる。
スコップ 表土を除去し、岩盤を露出させるのに使用。(めったに使うことはない)・車がスタックしたときなどあると便利。
たがね 硬い岩石サンプルを採取するときに使用。めったに使わない。
透明のビニール傘がGOOD(暗くならないから)。
なた・のこぎり あると何かと重宝する。特になたは、藪漕ぎなどの時便利。
施設点検の際、点検対象(擁壁など)が草で覆われている場合に必要となる。けがには十分注意が必要。
クマよけ鈴 昔からのクマよけグッズ。いろいろなタイプのものがあるが南部熊鈴型(3連)を長く使用している。
クマよけスプレー カプサイシンの塊。風下での使用は最悪のケースを除き推奨されない。
ポール入れ  車両用のポール収納箱。100均一のグッズなどから自作。 
除草用イス  コア観察など座って行う作業の時にあると便利。座りながら移動できるので腰への負担が軽減される。中に道具を入れることも可能。  
 
 
 
 
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